基礎コース・認定コース受講者の皆様
「日本小児がん看護学会認定 小児がん看護師」制度の改定について
錦秋の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は学会活動にご協力いただき、厚く御礼申し上げます。
9月30日(土)の総会にて、「日本小児がん看護学会認定 小児がん看護師」制度の改定が承認されました。総会でお話させていただきましたが、今回の制度変更の理由は、大きく下記の2点になります。
◇ 「実践の場により看護師に求められる小児がん看護に多様性があり、実践の研修がなく報告書のみで審査をする制度の中で、小児がん看護師の実践の質の評価の公平性や更新時の質の担保が難しい。
◇ e-ラーニングの製作と配信に当たり、2018年~2022年まで、東京大学および日本産業パートナーズ株式会社から財政的な支援を受けた制度であった。当初の見込みと比べて受講者が増えず、現在の受講人数では、収支がマイナスであり、学会本体の予算に大きな影響がある。
改定後は、研修制度のみとなります。認定コースを既に修了され、実践報告書の作成に取り組まれていた方、このような時期での決定になり、大変申し訳ございません。また、今年度集合研修を受講予定であった皆様、未だ集合研修のご案内ができず、申し訳ございません。
2024年からは、より多くの会員の方、さらには小児がんのこどもと家族に関わる方達が参加しやすい制度に改定いたします。小児がんの病態・治療及び、子どもと家族の療養体験の特徴を理解するためのe-ラーニング【基礎コース】【上級コース】研修は、会員外にも広く提供します。さらに、本学会の会員かつ看護師のみを対象にした【実践コース】を新しく設計しています。新しい制度では、実践報告書の認定審査を行わないため、「日本小児がん看護学会認定 小児がん看護師」ではなく、「小児がん看護師」の名称は、【基礎コース】【上級コース】【実践コース】の3つのコースすべての修了者の呼称となります。
現在、e-ラーニング受講期間や、【実践コース】の内容を検討しております。【実践コース】の開催は、2024年に開始予定です。現行の制度においては、それぞれのコース受講期間と小児がん看護師認定申請までの期間が設定されていました。新しい制度に移行するにあたり、今年度集合研修を受講予定であった方は、次年度の【実践コース】を受講することができるなど、受講中の皆様に不利益がないよう、移行措置を取りますので、ご安心いただければと思います。できるだけ早い時期に【基礎コース】【上級コース】を再開いたします。また、学術集会中に開催した小児がん看護師意見交換会で頂いたご意見をふまえ、臨床で実践をされている皆様が、小児がんの病態・治療及び、子どもと家族の療養体験の特徴を理解し、専門的知識・技術を用いた看護実践を行うために必要な【実践コース】の研修内容を設計しますので、こちらについては、もう少しお時間をいただくことをお許しください。
学会としましては、今後も、皆様が自己研鑽を継続できるような機会を設けて参ります。皆様と共に小児がん看護の質向上に向けて取り組んでいけますと幸いです。
2023年10月13日
日本小児がん看護学会理事長 小川純子